共育学舎とは
主な活動とこれまでのこと
共育学舎は、有機農業と自家産小麦のパン屋を営む主催者が、若者を対象に、無償で滞在場所と食事を提供しているところです。
和歌山県新宮市熊野川町にある、廃校になった木造校舎を拠点にしています。
主催者とその家族のプライベートな活動です。
2001年に、食や農林業に関わる体験・学びの場のイベントを企画・主催することからスタートしました。
その後、2004年に現在の校舎を活用し始めました。
2005年から、個人的な依頼で若者の滞在者を受け入れているうちに、自然に人が人を呼ぶようになり、イベントよりも、生活の中に人を受け入れることが活動の主体になっていきました。
新宮市所有の廃校を借り受け、お金をかけずに工夫して利用しています。
食べるものは、使われなくなった農地を無償で借りて自分たちで育てています。
お金と時間を気にせず、必要なだけ滞在できる場所を、それを必要とする若い人たちに提供するために場所を開いています。
提供するのは、住と食以外には、時間だけです。技術や仕事等の積極的な支援やカリキュラムはありません。
滞在する人の目的や、時間の過ごし方はさまざまです。
場所を成り立たせているそのときそのときの農作業や家事の協力はお願いしています。
時期によっては集中した作業が何日か続く場合もあります。
一日何時間とか、何時から何時まで、というような、決まりやスケジュールは設けていません。
基本的に各自のできる分です。
多くの自由時間があって、そこをどう過ごすかは、滞在する人自身が決めていくことになります。
農作業やパン作りなど、主催者の生業を積極的に手伝ったり、自分自身でやってみたりしながら学ぶ、自分の勉強をする、地域に関わってみる、子供と関わる(地域の子ども、同じ校舎で運営されているフリースクールの子ども、サマーキャンプに来る子供など、機会が結構あります)、思考する、本を読む、創作する、主催者や滞在者と話す、、、等々。
多くの若者が滞在し、それぞれの過ごし方をしていきました。
それによって、主催者側も多くの学びと喜びを得てきました。
台風被害と校舎の復活・これからのこと
校舎は私たちが管理してから2度大きな台風被害にあっています。
一度目は、2011年9月の紀伊半島大水害の時で、校舎がほとんど水没しました。
そこから、多くの人の有形無形の支援を頂いて、無事に復活を果たしました。
50mの廊下の床が合板だったため、あちこち破損して危険な状態になり、ワークショップ企画でみんなで張替えしたのはこの水害の後でした。
その後、2017年10月、こんどは暴風による被害で屋根に大ダメージを受け、応急措置もむなしくそのうち雨漏りの範囲と度合が深刻になりました。
そのため、滞在の受け入れや、小規模生産者を集めた定期市など、それまでの活動の多くを事実上休止せざるを得なくなりました。
しかし、小学生として共育学舎主催のサマーキャンプに参加していた十代の若者が中心になって『木造校舎を残し隊』としてクラウドファンディングを独自に立ち上げ、https://mokmok-pi-po-s.net/
2019年4月に屋根の修復が無事完了しました。
2020年、多くの人の思いによって蘇った校舎を未来につなげるべく、
主催者の思いと知恵×木造校舎を残し隊の若者たちの思いと協力で
新たな一歩を踏み出します。
これまで通りのことも、新しい企画も、ここに来て参加する人の手で紡がれていきます。
周辺のこと
熊野川町西敷屋区という、30戸ほどの集落の中に位置しています。高齢化がすすむいわゆる限界集落です。
学校の前にまとまった農地がありますが、年々耕作されない区画が増えています。主催者はそこで野菜と小麦を育てています。(米作りも長年行ってきて、田植えと稲刈りは多くの滞在者の思い出に残るイベントでしたが、2018年からしばらくお休みしています。できる条件はまだあります。)
世界遺産に登録されている本宮大社まで8㎞車で約15分です。
徒歩圏内に商店はありません。最寄りの商店はYショップ しもじ本宮店(午後7時閉店)で、自転車で20分ほどです。(校舎に数台自転車があります。)
日常の買い物は、車で15分ほどの本宮大社周辺か、40分ほどの新宮市内ですることが多いです。
最寄りのバス停は敷屋大橋で、新宮⇔本宮間の路線バスが、新宮行き、本宮行きとも、1日に8便です。
熊野川と、支流の篠尾川が近くを流れています。特に篠尾川は澄んで美しく、シーズンには川遊びが楽しめます。
通称「スラム」という、主催者所有の川沿いの約1200坪の土地が1.3㎞ほど奥にあります。
第2の場所として2014年から開拓をはじめたものです。
大水害でも被害のなかった場所ではありますが、川沿いということもあり、主催者がこつこつと盛土&整地し、その上に小屋を建てました。
まだ開拓途上の状態にありますが、利活用の可能性は色々あるこれからの場所です。
きれいな川が土地に沿って流れ、6月にはたくさんの蛍が飛びます。